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「ちょっと佐藤君、水野さんにからむのやめてよね」
佐藤さんは普段は明るくて、仕事でも頼りになる先輩なのだが、お酒が弱くてこういう飲み会ではいつも真っ先に酔っ払っている。
竹内さんに注意されるが、聞いているのかいないのか、『寂しくなるなぁ~』とか言いながら他のテーブルへ行ってしまった。
「そういえば、水野さんは結婚の予定とかはないの?」
「あはは......私は今のところ全然ないですね。もうそろそろ考えろって親にも言われてて」
「まぁ、そうだよねぇ。私も親から散々言われてたよ。水野さんと同じぐらいのときは私も全然結婚なんて考えてもなかったし、結婚なんてむしろ墓場だと思ってたくらいだしね」
「あはは、墓場って。でも意外です。竹内さんて結婚とかもそうですけどいろいろとしっかり計画立てて行動してるイメージだったので」
「あは、ありがと、でも私そんなしっかりしてないわよ。だって、結婚ってそりゃ始めは幸せかもしれないけど、何十年も経った時に相手のことを同じように想い続けるのってだいぶ不可能っていうか、諦めも必要な感じじゃない?」
「それは、なんとなくわかりますね」
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