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焦っているはずなのに、だんだんと頭の中と体が切り離されていくようでふわふわする。
「......色々と考えてしまうんです......なんだか、仲村さんがいてもいなくても、仲村さんのことばっかりぐるぐる考えちゃうんです」
「......え?」
「す、すみません! なんかおかしなこと言って! 仲村さんは関係ないんで!」
"はっ"と我にかえって慌てて訂正するがもう遅い。
「今の話から関係なくはないでしょ」
そう言ってフッと笑った。
「いえ、あの、なんか私おかしいですね。そんなに飲みすぎた覚えないんですけど......あはは......」
「まぁ、いいや。わかった。とりあえず俺のせいじゃないけど俺のせいってことね」
「いや、えっと、あのっ......」
「じゃあ水野さん、また会社で」
いつの間にかマンションに着いていて、仲村さんは自分の部屋へ帰っていった。
「あ......じゃあ、おやすみなさい......」
一人になってマンションのエントランスに立ち尽くす。
自分が言った言葉を思い出して思わずその場にしゃがみ込んだ。
顔が熱い。体が熱い。
重い足取りで自分の部屋に向かった。
部屋に入るなり、ベッドに突っ伏する。
泣き顔を見られたことに比べればましな気がする。
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