(6)母の思いやりと幼馴染の思いやり

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しかし、ショートヘアーから覗く小さな耳が、真っ赤になっているのが見えた。 照れている。 確実に照れているのが分かった。 「た、たまにだったら……、いいよ」 「マジですか!?」 「マ、マジですよ……」 完璧に照れている。 だが、可愛い! 心の中で「よし!」と叫びながら龍一は両手で小さなガッツポーズを取っていた。 「その代わり、虎ね~ちゃんのパンツなんか、もう取っちゃ駄目なんだからね……」 そっぽを向いたままの月美の言葉は、なんとなく交換条件にも聞こえた。 しかし、そんなの龍一には関係なかった。 その程度の交換条件なら幾らでも飲める。 もう、ガブガブと飲める。 なんの問題もなく女の子のパンツが拝めるのだ。 歓喜な話である。 「わ、分かったよ、月美。もう虎ね~ちゃんのパンツには、手を出さない……」 龍一が常識的なことを誓う。 「見るのも駄目なんだからね」 「分かった、絶対に見ない……」 月美が上目使いで龍一を見ながら言う。 「例え脱衣所に落ちてても、見ちゃ駄目なんだよ」 「うん……、絶対に見ないってば」 少し考えてから答える龍一。 「洗濯場に乾してあっても見ちゃ駄目なんだぞ!」 「思わず目に入った……、とかも駄目?」 「絶対に、駄目!!」 月美の目が怒っている。 釘を刺す月美の声色には、嫉妬の色が窺えた。 「じゃあ……、どうしてもパンツが見たくなったら……?」 「幼馴染みなんだから私に言いなさいよ! ちょっとだけなら見せてあげるって言ってるでしょ! 龍~ちゃんが見ていいパンツは、私のパンツだけなんだからね!」 「月美、そんなに怒るなよ……」 ここまで興奮して怒る月美も珍しい。 でも、怒る姿も可愛かった。 「じゃあさ、月美」 「なによ?」 月美は少し冷静になってから返事を返した。 「今、ちょっとでいいから、ここでパンツを見せてよ?」 「!?」 驚きながら立ち止まる月美。 龍一のお願いに月美の顔が、下から上へと一瞬で赤くなって行く。 目が点となり頭のてっぺんから湯気を上げて固まっていた。 「駄目か、月美、パンツ!?」 力を込めて訊く龍一。
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