13

14/22
513人が本棚に入れています
本棚に追加
/218ページ
 そこにいる全員が、雄太郎の殺気に怯えてた。 「当たり前だろ……!だれが男なんか……」 「あぁっ!?おどれそれ本気で言うとんのか!?」  雄太郎はケイイチのシャツの襟元を捻り上げた。 「われ……、いてもうたらぁ!!」  ドスッと鈍い音が響いた後、ケイイチの体はスローモーションで崩れていった。雄太郎がケイイチのみぞおちに一発お見舞いしてやったのだ。 「おい!そこの女!」  くるりと美歌へ振り向き、雄太郎はケイイチを指差した。 「この腐れ野郎はクソ野郎やで!あんたも俺も騙されてたんや!」  おまけにがつっと靴の先でケイイチのわき腹を蹴った。 「この!あほが!!」  ケイイチはあまりの痛さからか悶絶している。雄太郎はそれを一瞥すると、美歌の腕を引っ張り歩き出した。澤部と由幸も慌てて二人を追った。
/218ページ

最初のコメントを投稿しよう!