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 今日は月末の水曜日。昨日遅番勤務だった由幸は閉店後に平台を空けておいた。  レジの周りに積まれているのは本日発売の雑誌の束。水曜日は少年漫画誌と青年漫画誌が発売する。そして月末の今日は、付録付きの女性誌がいくつも出る上にコミックの発売日も重なっていた。  雑誌の束はちょっとした小山のようになっていて、その中から由幸はコミックが梱包されている束を選り分けた。今日の新刊は少女漫画がほとんどだ。コミックは雑誌扱いになるため、雑誌と共に梱包される。  ポンポンポン、とコミックの束を台車に積み、由幸はバックヤードへと向かった。  雑誌やコミックの束は段ボールなどに入れられてはおらず、透明なビニールと固いバンドで簡易的に梱包されて届けられる。カッターでバンドを切りビニールをむしり破ると立ち読み防止のため、シュリンクをかける。  シュリンクとはよくコミックにかけられているビニールフィルムの事だ。昔は手作業で行っていたこのビニールがけだが、最近は機械で行う店舗の方が多い。  取りあえず各種五冊ずつシュリンクをかけ、由幸は再び台車を押しコミック売り場に戻った。 「おはようございます」  売り場には社員が一人、パートの主婦が二人出勤しており、雑誌の束を次々に開けていた。  パートやアルバイトの従業員の出勤時刻はいつもならもう三十分後だ。今日の早番は由幸達社員が二人、アルバイトが五人、その中でもこの主婦のパートさん達は入荷の多い日には何だかんだ言いながら他のアルバイト達より早く出勤してくれる。
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