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 漫画に描かれている通り、奏の腕が腰に回る。密着する体。バクバクとうるさ い心臓の音が、肌から奏に伝わってしまいそうだ。 「向井さんは俺の首に腕を回してください」  強引に奏は由幸の腕を取った。まるで抱き合うようなポーズ、いや、まさに抱き合っているのだが、無邪気に笑う奏にちょっとばかり腹が立つ。  人の気も知らないで。 「向井さん、体重何キロ?」 「五十ちょい……」 「軽っ!女子じゃないっすか!じゃあまじでいけるかも」  奏は由幸の両腿を抱え、抱き上げようと必死にふんばった。 「うおらぁっ!」 「そんなかけ声、漫画じゃ全く出てないけど」  白けた目で見つめても、奏は全然気になどしない。それどころかますます楽しそうに笑った。 「あははっ!そっすね。漫画の流れだと、立ったまま受けの片足を持ち上げての挿入、そんで完全抱っこですもんね。やっぱアレの最中ってアドレナリンとかどぱあって出て、人の重さがわかんなくなるんですかね」 「知らないし……。あっ!」  奏の腕の中から出ようとした瞬間、由幸の左足は奏の手で持ち上げられた。思わずよろけて、奏の首にしがみつく。  「これ……、立って向き合ったまま突っ込むなんて、ファンタジーじゃないっすかね」  どうやっても奏の中心は由幸の後ろには届きそうもない。ぐりぐりと色んな角度から腰を押し当てられると、さすがに生理的反応を起こしてしまいそうだ。  
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