4月21日

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 あたしには、密かな趣味があった。    小説を読むこと。そして書くこと。  物語を創るという、クリエイティブ活動は、小さいころから興味があって、漫画も大好きだけど、想像力が無限の空想を広げてくれる、小説が大好きだった。  だから書くとすれば小説かなって。 「失礼しまーす」  あたしは、目の前の、目的地である扉を開いた。  薄暗い。けれど、夜にはまだ早い。  室内は思ったより広い。正面には窓があって、新校舎が見えた。  左右に棚が置かれていて、様々な本、空き瓶やロープもちらほら見える。  中心に大きな机。イスが3つと、奥には大きめのソファーが置かれていた。  机の上にノートパソコンがおかれていて、持ち出し厳禁。と張り紙がしてある。  ソファーの上で何がか動いた。  目が慣れてないから、よく見えない。あたしは「ひゃっ!」と間抜けな声を出した。 「なに~? 誰かいるの?」  影か体を起こす。だらしなく着崩れた白衣に、ボサボサの髪。大人の女性が寝ていたようだ。 「犬井? 加納? 誰でもいいわ、静かにしててね、昨日飲みすぎちゃったから」 「お邪魔します。えっと」  一度、部屋を出てプレートまで確認した。 「んー? 見ない顔ね。もしかして新入生? 『文芸部』だったら隣よ」 「いえ、ここ、『オカルト研究同好会』ですよね?」    頬杖をついてうつむいていた女性が、ちらりとあたしを見た。
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