4月21日

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「……という夢を見たわけよ」 「クラスメイトとして忠告します。病院に行くといいですよ?」  ゆっちの返事はそっけない。  でも、ポッキーをくわえて、上下にぴこぴこ動かしているしぐさは、とてもかわいかった。 「ノンノン! あたしがほしいのは、クラスメイトの意見ではなく、ずっ友としての助言なのだよっ!」 「ずっ友とか叫ばれるのは恥ずかしいです。いっそ出会う前に戻ってもいいですか?」 「そんなのだめっ! あたしゆっちがいないと生きていけない。毎日三食『ゆうげ』でもいいけど、ゆっちがいなくなったらあたしっ」 「なったら?」 「……えーっと……生きていけないのっ!」 「一瞬考えたのは気になりますけど、いいでしょう。オッケーです」 「ゆーっち!」  全力のハグ。  おお!? なにこれ? ゆっちめっちゃいい匂い。ああ、この匂いだけで生きていけそう。   「あの、小鞠(こまり)さん?」  ゆっちが、もじもじしながら、そっとあたしを押しのけた。  頬が赤らんでいる。    やばっ、やばいよその顔。押し倒したい! ハァハァ。 「小鞠さん、ねえ、周りをよく見てごらんなさい?」  耳元で囁かれ、押し倒したい衝動の横腹に蹴りを入れて、ふと我に返る。  クラスメイトの視線が痛い。そう、ここは教室だった。    んんっ。と咳ばらいを一つ。 「という夢を見たのさっ!」  あたしが叫ぶと、クラスメイトは何事もなかったように、読書、昼寝、早弁、おしゃべりの日常に戻っていった。
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