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屋上は、一応立ち入り禁止である。
ただ、カギは何回かけても、何者かに壊されたり開けられたりするので、教師も半ば黙認していた。
そこに、優等生の祐智さんが来た。あたしの好奇心が膨らむ。
「キミはどうしてここにきたの?」
あたしの問いに、祐智さんは、動揺や芝居がかった様子もなく、
「あなたとお話ししてみたくて、探していたんです」
なんて、予想外なことを言いだした。
「あたしと?」
「ええ。月野小鞠(つきのこまり)さん。自己紹介の時から、気になっていました」
ああ、クラス替えの時ね。どんな自己紹介だったのかは……まあ、いいじゃない。
「気になってた? それって愛の告白的な?」
「突き落としてもいいですか?」
にこりさらりと、毒を吐く。
「殺人罪になっちゃうよ? あたしは見ての通り、羽がないから」
「まだその話を引っ張りますか」
祐智さんはクスクスと笑う。あとしもつられて笑った。
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