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それが出会い。あ、違うか。クラスメイトとしては、出会っていたから。
同じ高校が志望校だったのは偶然だった。2人揃って合格したのはもちろん、一緒のクラスになれたことは奇跡だった。
「偶然ってあるんですね」
淡々として感情をあまり出さないけれど、ゆっちも喜んでいるのはわかった。
入学式から2週間。クラス内では徐々にグループが出来上がり、そのどこにも所属しているわけでもないあたしとゆっちではあるのだが、
「祐智さん、もう部活決めた?」
「あのさ、角川さん、よかったら一緒に手芸部に」
「茶道に興味はないですか?」
やはり彼女の周りには、自然と人が集まっていた。
同性であるあたしからみても、可憐な美少女に見えるゆっちには、手芸や茶道とか、おしとやかで華やかな部活の勧誘が多い。けど、
「申し訳ございませんが、すでに決めておりまして」
丁寧な口調で、クラスメイトにお断りをしているゆっち。
知ってる。言ってたもんね。
でも、ゆっちの決めた部活って……。
「はいはい静かに。みんないい加減席につけ」
やがて担任が現れ、帰りのホームルームが始まった。
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