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「進路決めろ、か。どうしたもんかねぇ……」
扇風機の風力を強めながら、
俺はバタバタと暴れる紙を片手で押さえて呟いた。
ビデオ判定されるんじゃないかというほどすれすれで遅刻を回避した今日。
うだるような終業式の後に、学校にて渡された物だ。
まったく勘弁してほしいよ。
ちょっとテレビをつければあちこちで大人も迷ってるこのご時世に、十八歳が人生の正解なんざ見つけられるわけないだろう?
と、こんなことをなげやりに思ったところでどうにもならない。
夏休みが終わるまでにまがりなりにも人生プランをまとめなければ、明けには教師を前にして心地の悪い時間を過ごす羽目になる。
下手を打てば、親からもどんな電話が掛かってくるかわかったもんじゃない。
まあ、
それでも面と向かってせっつかれることがない分、
まだ猶予があると言うべきか。
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