8人が本棚に入れています
本棚に追加
やっと落ち着いたのか、涙目になりながらも言葉を続ける。
「お前がそんなつまらない奴だとは思わなかった」
「嘘じゃあないんですけどね。それと、評価するならどちらかにしてください」
まったく……。人を嘘つき呼ばわりして。
まあ……信じられないような話をしている自覚はある。
「それよりも、授業受けないのか?また赤点取ったらめんどうだろ?」
「今更ですか?まあ、そうですね。この時間は僕の大好きな現社ですから赤点はとらないし、とらなけばいいんです。それに俺は今、保健室に行っている手はずですからたぶん大丈夫だと思います」
「ちなみに……熱か?」
「はい、熱です。今日は市具先生しかいなかったので。」
「俺もだ。今日は熱。勉強なんてしなくても分かる。範囲さえわかればな」
学年1位は言うことが違うな。
記憶力がいいのか、それとも要領がいいのか。おそらくその両方だろうが。
「英語が苦手な理由が分からん」
そのように頭が良い明人に対し、俺の成績は芳しくない。いいのは社会と化学ぐらいだ。
「他の国の言葉を覚えたって、なんの得にもならないじゃないですか」
「お前がいくらそう思っても、やらなきゃいけないことになっているからな。学校に入ったからには英語を学ばなければならない。だろ?」
最初のコメントを投稿しよう!