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通学路は街並みの中、足下はコンクリートであり。いわゆる古ぼけた商店街の道だった。
新築のような家もあるが、多くの建築は古臭く、植物が巻き付きひび割れなどがある家に挟まれた路でもあった。
そして俺はふと気が付く。
そこに鳥居があることに。
それは簡素かつ古いもので、街並みには馴染んでいたが、そもそもこんな所にこんなものはなかったはずだ。
傍らまで近づいてみると、遠目では判らなかった可愛らしい猫の置物が一つ。
そして鳥居の奥は深く、遠く続いているような道がある。
……惹かれた。理由はそれだけだった。
その道の先は、深い森のような場所まで続いていた。
先ほどの道から淡々と歩いた足は別な地面をたたいている。この場所では、歩道が整理されていないのか、むき出しの地面と比較的乱雑に生えている雑草が足ふみをおろそかにした。
しかし……それでもそこは道であった。
俺はこの場所を知らない。
住み慣れたこの町に、まだ足を踏み入れたことがない土地があるのは驚きだったが、断じてそこは俺が行ったことのない場所だった。
森という天然の傘は雨を遮るが、それでもずいぶんな量の滴が降り注ぐ。
ふと、傘に多数の衝撃。
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