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「あのさ、次の日曜日に時間ある?」
なんて陳腐なセリフ。
もっとスマートに、気の効いた言葉はないのか。
経験無いのだから仕様がない。
……女の子をデートに誘うなんて、難しい。
「は、はい!」
驚き、戸惑いながらも嬉しそうな顔で答えてくれた後輩を可愛いと思わない奴はいないよな。
僕のテンションも上がる。
他の男が彼女の噂話をしていた。
焦ったなんて口が裂けても言わないけど、事実気が気でない。
他の誰かに先を越される前に、僕の気持ちを伝えて彼女の隣を占領したい。
「付き合って、欲しい」
絞り出すように告げ、彼女の顔をまともに見る事も出来ずカタカタと震えてしまう。
……情けないな。
チラリと覗くように、窺うようにそっと視線を送った先の彼女は、真っ赤になって大きな瞳を潤ませて惚けていた。
─────瞬きをして記憶した
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