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入学直後の新入生は落ち着かないことも
あるが、大抵は中間試験の頃には学校に
慣れる。ところが、1Fは元気が余っている
生徒が多く一向に落ち着かない。簿記会計
担当の涼子は大量の課題で締め上げている
が、課題を出せば当然添削がある。つまり、
自分も忙しい。
荒井は学生の頃は学業も素行も優等生
だったように涼子は感じていた。優等生が
そのまま教師になると生徒の本音を理解し
にくいことがある。例えば、授業中に
居眠りする生徒の気持ちがわからない。
自分は居眠りしたことがないから授業中に
瞼がくっつく原因や理由を知らないのだ。
だから、的を得ない指導になりがちだ。
荒井がそうだとは言わないが。
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