星の指輪 3

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入学直後の新入生は落ち着かないことも あるが、大抵は中間試験の頃には学校に 慣れる。ところが、1Fは元気が余っている 生徒が多く一向に落ち着かない。簿記会計 担当の涼子は大量の課題で締め上げている が、課題を出せば当然添削がある。つまり、 自分も忙しい。 荒井は学生の頃は学業も素行も優等生 だったように涼子は感じていた。優等生が そのまま教師になると生徒の本音を理解し にくいことがある。例えば、授業中に 居眠りする生徒の気持ちがわからない。 自分は居眠りしたことがないから授業中に 瞼がくっつく原因や理由を知らないのだ。 だから、的を得ない指導になりがちだ。 荒井がそうだとは言わないが。
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