集合写真

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「そりゃね。でも、人を教えるとなれば話は違うさ。僕達がもう一度おっさんチームを作るって言うなら、飛びつきたいけどね」 「そうね」  彼女はそう言って、ちょっと困ったような笑顔を浮かべた。 「正直なところ、ちょっと怖いんだ。失敗して、未来ある少年たち達が野球嫌いになったらどうしよう、とかね」  彼女は僕の言葉を聞いて、それから考え込むような表情のまま少し黙り込んだ。僕がビールを二口ほど飲んだところで、再び彼女は口を開いた。 「私ね、あなた達がチームを作ったら、あの子を入れようと思っているの。ゆくゆくは、エースで四番になるかもしれない」 「どうかなぁ、僕の息子だぜ。八番ライトがいいところじゃないか?」 「それでも良いわよ。ただ、あの子にも野球の楽しさを感じて欲しいの」  そういいながら、彼女はそっと僕の肩に頭を預けてきた。 「それでね、いつか二人であの子の応援に行くの。きっと凄く楽しいと思わない?」 「いいね、悪くない」 「それなら、あの子が野球を楽しむきっかけを、あなたが作ってあげてよ。あなただって甲子園に夢を持っていた野球少年でしょ?」  あの子がその道の先へ行ってくれるかもしれないわよ。彼女はそう言ってにっこり笑った。なんだかんだ言って、彼女も野球大好き少女だったわけだ。 「どうりで、荻田の味方をしたわけだ」 「それにね」     
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