ラビリンスマネージャー

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「ならないな。エリートスライム百万、スケルトンナイト二百万、ストーンゴーレム三百五十万、リザードマンジェネラル五百二十万、サキュバス七百六十万、ダークナイト九百八十万、ヒュドラ一千六百万、ドラゴンベイビー五千万―――――だ」  睨めっこをするように水晶玉を見ている青年の外見はまるで人間と変わらない。着用している衣服は人工物で、特に耳が尖っていたり目が赤かったり牙があったりするわけでない。何もかもが普通の人間と変わらない、そんな外見の青年が自分の管理するダンジョンにモンスターを配置するために交渉を行っている最中だった。 「高いっての。いつから移籍相場はぼったくり価格を受け入れるようになったんだよ」 「文句を言うな。第一これはモンスター単体の移籍金だ。そいつらに迷宮定着不死復活魔法を付けるなら値段は二割増しだ」  モンスターも殺されてしまえば生き返ることはできない。しかしダンジョン内で死んだ場合に限り、復活させることができる魔法が手段として存在した。常に人を相手取って戦うダンジョンでは明らかに必須の条件であり、その魔法を施すのはダンジョンの経営者として当然のことだ。 「だから高いっての。ここ数年でそんなに値上がりするか?」 「人間の方も冒険者やら対魔王の軍勢やら、動きが活発になってきてどこも大変なんだよ。それくらいの情報はあるだろ?」     
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