ラビリンスマネージャー

　剣や槍や弓が主な武器として扱われ、世界中の人々が魔法という超常的な力を得ようと研鑚を重ねる世界、そこには数々の英雄譚が存在する。

　幾多の敵を一人で蹴散らした豪傑―――――
　竜を仕留めたとされる不死身の剣士―――――
　崇め奉られる神を殺した反逆者―――――

　その中には当然のように人々から忌み嫌われ恐れられる存在がいる。数多の英雄たちによって闇に葬られ、悪の象徴であり全ての諸悪の根源とされる世界最古からこの世にあって不滅の絶対悪とされる存在。
　人々はその存在を全ての負の感情を持って『魔王』と呼ぶ。
　世界中に存在する異形の者達を統率して人々に牙を剥き、時には一国を丸々攻め落とすだけの兵力を軽々と動員する存在。人間世界と完全に敵対する真逆の位置。魔王はいつの時代もその場所に鎮座して人々に牙を剥いてきた。
　しかし人々もそれに屈しない。日々受け継がれていく先人たちの知恵と技術を駆使して魔王を討ち果たそうと武器を持って立ち上がる者も数多くいる。時には勇者と呼ばれ、時には英雄と呼ばれるに値する者達が魔王に向かって真っ向から太刀打ちしようとする。