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彼女がもし、まかりなりにも王位を継承することになった時、この国がどうなっていくのかさっぱり読むことができない。だが、考えられる結果は両極端な二つだ。崩壊するかさらなる進化を遂げるかのみ。彼女はおそらく現状維持などということを目標に定めることは無いだろうから。
「はぁ、もうわかりました。好きなようにしていただいて結構です」
タリムも諦めてしまう。王女として必要以上のスペックを持つ彼女は王女という枠組み以外のこともこなしてしまう。それは人としては喜ばしいことなのだが、国の中に住む王女という立場の人間であることを考えれば良し悪しだ。現に、現国王の跡継ぎとして王位継承権を持つ王子達が最も警戒しているのが彼女であるという噂まである。
まだお転婆姫は王位継承権を持ってはいるが王位継承の意思を表明していないことから権力闘争の枠の外にいることは確かだ。だが、彼女の発言一つで国内の権力闘争が泥沼化する恐れもあることは実に悩ましい種でもある。
「ですが、王女として、女性として、その汗にまみれた体は綺麗にさせていたただきますので今から強制的に湯浴みの時間といたします」
「だめですよ。今から城下町へ出向く予定なのです。夕食までには帰ってこないといけませんから早く出ないと―――――」
「だったら早く服を脱いでください」
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