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「金貨一枚あればそのかごを何回いっぱいにできるかわからねぇよ」
過去にティアリナから支払いを受けた商店の主人たちはみんな金貨での支払いを一度はうけているのだ。金貨はかなりの規模の商人くらいにならなければ扱うどころか見ることも難しい。そんなお金で支払われても釣り銭に困るだけなのだ。
「それにこの間墓参りの途中で疲れたばあさんを家まで送ってくれただろ? それのお礼だよ」
「それなら俺は一月前になるけど引越しの手伝いをしてくれたぜ」
「ならうちは先週だけどなぁ、半日も子供と遊んでくれたんだぜ。友達も連れて大勢だったのによ。かみさんも近所の人達も大助かりだ」
野菜や果物をくれる人達はみんなそれなりにティアリナの心優しさを感じた人達ばかりなのだ。そのお礼になればと、彼女が城下町へと足を延ばした時には果物や野菜を彼女に無料で渡しているのだった。
「そう言えば裏路地のあいつ、失業して浮浪者になっていたってのによ。ティアリナ様のおかげで仕事が見つかったって話だぜ」
「それなら俺の家の近所のやつは傾いた経営を立て直す知恵を貸してもらったらしい」
「俺の親戚の漁師は荒波で壊れた船の修繕の手配をしてもらえてしかも格安で船がなおってまた漁に行けるって喜んでいたぞ」
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