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数年前、城下町である犯罪集団の悪行が横行したとき、この国のお転婆姫は何を考えたのかその犯罪集団を壊滅させようと奮起したのだった。直接城下町へ出向いて困っている人達に声をかけて慰める。その後、どこからか有力な情報を手に入れたらしい彼女は血気盛んな城下町の若者たちと一緒にその犯罪集団と一悶着起こし、民衆総出で犯罪集団を完全に制圧してしまったのだ。兵士達が手をこまねいている間に民衆の力での解決は当時の国内に大きな影響を与えた。そしてそれが自警団の発足に繋がったのだ。
一国のお姫様がまさかと思える行動をしたことは周辺各国や交流のある諸外国へと一気に広まり、一躍彼女は広い世界でもお転婆なお姫様として有名になったのだ。
「まぁ、その結果の影響もあってか、婚姻の申し出は未だないわけですが・・・」
第八王女のお転婆姫は既に姉達が様々な国へと嫁いで交友関係を確かなものにしていることから行くあてがないことは事実だ。だが、新たに友好を深めることや、新規開拓ともいえる国家間の連携を考えれば世界中には数多くの国がある。政略結婚が全くできないというわけではないのだ。だが、彼女のお転婆な行動は諸外国から称賛の声を浴びる一方で好ましく思われていないというのも事実だった。もともと存在する国の形を崩しかねない彼女の勇猛果敢過ぎる行動力に多くの国が一線を引いてしまっている。しかし、民衆の建前もあってか称賛の声だけは変わらず発し続けているのだった。
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