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澄みわたる青空を美しいって思えるのは何て素敵なことだろう。
私は空を見上げながらそう思った。
そよ吹く風が私の頬をさわっていく。
その香りは新しい緑の息吹。
私は生きているんだ。
感じるもの全てが私に語り掛けているように、その感覚を届けているのだろう。
言語じゃないメッセージが私の感情に訴えているのだろう。
空を見上げたら、美しくて涙が出た。
だから、私は思わず空に手を伸ばした。
でもその掌は何もつかまずに拳を握った。
大事なものは手に入らないものだ。
いくら美しいと心寄せても、目の前を横切るだけ。
それが私。
でも、それでもいいと思う。
それが美しいって気づいただけでも。
心が震えただけでも。
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