澄みわたる青空を見上げながら

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「明日香ちゃーん。あんたさ、空見て泣いてたでしょ? うけるー! 嫌なことでもあったんですか?」 あ、見られてたんだ…… 「こいつなんにも言わないんだよね。病気なんじゃね?」 そうだよね。 私は人を嫌な気持ちにさせてしまう。 だから、自分の気持ちを口に出すことができなくなった。 「明日香ちゃん? さっきから口をぱくぱくしているんだけど鯉ですか? ぶははは。こいつキョドってるよ」 やめてほしい。 っていつも思っている。 でもそれを言ったらもっと嫌われる。 私がそんなことを言っていけないって知ってる。 だから心を無にして通り過ぎるのを待つしかなかった。 そう思っていたのに…… 「あのさ、それ言い過ぎじゃね?」 「えー、翔太ってば私たちが明日香をいじめているって思ってるの? 明日香っていじられキャラというだけなんですけど」 「嘘つくなよ。明日香ちゃん困っているじゃないか」 どうして私をかばうんだろう。
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