君の名はレイナ

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君の名はレイナ

 日は暮れ、外は月明かりと街灯にだけ照らされている。並ぶ家々の窓からは明かりが漏れ出し、時代の進化と科学により作り上げられた日常生活を目にすることができる。  並び立つ家々の中の一軒家。他の家と特に変わった点は無い普通の二階建て一軒家からもまた、明かりが漏れている。家主がいれば明かりがついているのは当たり前。一階と二階の両方に明かりがつく中、屋根瓦の真下にある二階の一室に一人の男がいた。  蛍光灯の明かりが照らす部屋の中は普通の部屋だ。四角い部屋の片隅にベッドが置かれ、机と本棚が併設されている。テレビ台の上にテレビが設置され、一般家庭用のゲーム機も綺麗に収納されている。男の部屋として特におかしな点は無いのだが、強いて挙げるならば男ものとは思えない可愛らしいぬいぐるみが数点、部屋の中に飾られていることだろうか。ウサギ、ペンギン、子犬といったいかにも女の子という可愛らしいぬいぐるみがその部屋の中で存在感を見せていた。 「―――――はぁ、はぁ、はぁ・・・」     
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