禁断の地と永遠の象徴

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 可愛らしい笑顔を毎朝見ることができる俺は間違いなく幸せ者だ。しかしその幸せを手に入れるまでには長く苦しい戦いの時があった。  中二病を拗らせていた俺は何を思ったか武道等に入れ込み、それどころか美少女達が活躍するオタク向け戦略シミュレーションゲームの達人だった。オタク向けに限らず戦略趣味レーションゲームはライトなものからハードなものまでやりこんでいたいわゆるゲームオタク。中二病と相まって中世頃の時代背景に魔法が加わった世界観が好きだった。  毎日をゲームと中二病による武道に明け暮れていたある日、ゲームにもよくある定番の展開ともいえる異世界への召喚にあってしまった。召喚されたばかりの頃は未知の恐怖が大きかったのだが、そこが自分の一番好きな世界観だとわかれば順応は意外と早かったと思う。  しかしその先が過酷だった。異世界では世界最大派閥の魔王率いる魔族が世界征服を狙って各地で争いが起こっていた。俺はどうやらその戦いを鎮めるための戦力として召喚されたらしい。妖精族の召喚士とともに世界中を回っての魔王討伐の旅が始まった。     
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