ストーリーメーカーズ

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 プロフィール写真では顔をウサギのアニメ絵に加工してあるが、金髪のロングヘアや服装からギャルっぽさが漂ってくるような子だった。が、単純に寂しがり屋で人がよく、他人が巻き込まれている色々な困難を放っておけない質なんだと思う。そのうち悪い男にナメられて騙されるんじゃないかと他人ごとながら心配になる。 『女の子にそこまで迷惑かけれないよ』と返信したものの結局やむにやまれず、その晩一回だけ世話になった――まあ今でも十分切羽詰まってるんだけど。 「困ったらいつ来てもいいよ」なんて言葉に甘えているうちにずるずるした関係になっちゃうんじゃないか。彼女に恋愛感情を抱けそうにもないのでそういうのは嫌だった。今でも十分ぐだぐだなのはわかってるけど、せめてそこはきっちりしておきたくて。  それに彼女にしたっていい気分はしないだろうし。ホント、早く連絡くれないとふらふらとあっちに行っちゃうかもしれないよ?今すぐメッセージくれよ。電話だっていいからさ。もしかしたら気まずいと思って、謝るきっかけがないまま悩んでるんじゃないだろうか。そう気づいてこちらから彼女にメッセージを送ろうとしたらブロックされていた……意味がわからん。何考えてんだよ、クソ女。  最後のセリフがそのまま口に出て、思わず振り向いた店内の何人かの一人と目が合い落ち込んだ。  口座は空だし、財布の残額を気にしながら結局一晩だけネットカフェに泊まってエントリーシートを何通か書き上げスマホを充電した。仕方ないから書類は実家に送ってもらうことにしよう。色々聞かれて面倒そうだけど、仮にも長男の就職がかかっているんだから知らせ忘れることだけはないだろう。
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