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「お二人は、恋人同士なんですか?」
「バーカ、俺は妻帯者だよ!」
「違うわよ、麗ちゃん。私達従兄弟同士なのよ」
「そうだよ。あさみは叔父貴の娘。これでまさかの社長令嬢だよ」
「何がまさか…よ。好きでなった訳じゃない!」
「う、うそー」
「いや、嘘ついてどうなる」
『私の中で点と点が繋がった。あさみさんに会った時、知ってる人に似てる…って、望月部長だったんだ!』
「あさみから、如月が倒れたって連絡があってびっくりしたよ」
「慎一がこき使うから、こんなことになったんじゃないの?」
「あ…いえ、最近寝付けなくて、睡眠不足だと思います」
及川さんと鏑木さんのことで頭が混乱してたから…。
「あいつらのせいだな?まあ、仕事も大変だろうけど、忙しければ考える暇がなくなるかと思ったけど、そうはいかないか…」
「慎一と違って、麗ちゃんは繊細なんだから、よく見てあげてよ!可愛い部下でしょ?」
「あーハイハイ!全くしょうがねーな…ほら、送ってくぞ!」
私は、望月部長に送ってもらった。
「申し訳ありません。ご連絡いただきまして、ありがとうございました」
父さんが玄関で部長にお礼を言っているのが聞こえた。
母さんは、私の部屋でその声を聞いていた。
「あの方が、麗ちゃんの新しい上司の方ね。麗ちゃんが倒れたから送ってきてくださるって、電話を頂いたのよ」
「麗奈、大丈夫か?随分と若い上司だな。前に来た青年といい、今の上司といい、お前の会社は顔で採用してるのか?」
「あはは、まさか。でも、見た目も大事なのかも…。でもあの人は会長の甥なのよ。だから、要職に就いてるの。まあ、いずれは社長ってとこかな」
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