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「望月部長、おはようございます。昨日はご迷惑おかけしました。家まで送っていただいて、ありがとうございました」
「いや…大丈夫か?…こっちこそ悪かったな…」
望月部長はそう言って頭をかいた。
「昨日、あさみにひどく怒られてな…」
「どうしてですか?私が体調管理がなってなかっただけです」
「あさみから色々聞いていたからな…だから、無理させるなって言われていたんだ。なのに、引き継ぎを急がせたり、お前一人に全て任せっきり、負担が大きすぎたんじゃないかって、もっと部下のことをよく見ないとダメだって、言われたよ」
確かに、雑用から全てをこなすのは、大変だといえば大変…やれないことではないけれど、あと一人か二人増えれば、もう少し楽にはなるかなとは思うけど、会社が決めることだから 仕方がないと思ってた。
「それで、少し前からあと一人か二人ここへ来てもらう人間を探してたんだ」
「おはようございます!望月部長、明日からって話でしたけど、引き継ぎが一日早く済んだので、今日からこっち来ますね~」
「へ?!瀬野っち先輩!!」
「はよ!麗奈。今日からよろしくな!!」
「おう、瀬野。急な話で悪かったな」
瀬野が、荷物を持ってやって来た。三人目の新事業企画室のメンバーがやって来た。
「選んでいただきまして、ありがとうございます!やってみたかったんで、嬉しいっす!」
「外川、何か言ってたか?」
「頑張ってこいなって言われました」
「そうか、良かった…」
「?????」
私には最後の会話の意味が、イマイチ理解できなかった。
『外川さんて、瀬野っち先輩の上司ではないよね…課長じゃなくて、外川さん?』
「おい、麗奈!なにぼーっとしてんだよ!今日からよろしく頼むよ」
「あ、あ、よ、よろしくお願いします」
「如月、鳩が豆鉄砲を食ったような顔してるぞ」
望月部長の人選にイマイチピンとこなかった私の頭の中は、疑問符でいっぱいだった。
『何故に瀬野っち先輩?そして、先生?』
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