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「お前たちの判断力も処理能力も、俺たち幹部はかなり評価してる。お前は知らないだろうけど、賞与査定な…本当は秘密だけど教えてやるよ。一位が小池で、二位がお前だ。二人が断トツで、それでもって僅差なんだ」
『知らなかった…』
「小池はお前に追い上げられて、必死で仕事してるよ」
『本当に知らなかった』
「叔父貴も、さすがに小池は手放さない。だから、今回の仕事のパートナーは、お前を推したんだ」
『普段の軽さから、ただ権力を利用してるだけだと思ってた。ちゃらんぽらんじゃあなかったんだ…真剣に会社の事を考えていたんだ…』
「解ってくれたか?」
「はい……わかりました。望月部長」
険しい顔が緩んだ。
「そうか。わかってもらえて、嬉しいよ。明日から頼むな」
「はい、部長」
「あ、そろそろ退社時間だな。今日は、飲みに行くか」
私は微笑んで頷いた。
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