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「くそがぁぁぁぁ、このままじゃ死ぬっ!死んでしまうっっっ!!」
閑散とした広間、床には大きな棺桶が1つ。その周りには多くの骨と魔法陣らしき模様…これら全てが合わさり、異様な雰囲気を醸し出している
そんな中、声の主は目前に迫る 漫画でしか見た事が無い様なレーザービームを間一髪で躱す事に成功していた
「おっとっと、うぉぉああっ」
…が
床に転がる骨に足を取られ転倒し、激しく身体を地面に打ち付ける
もう、さっきからずっと同じ様に躱し続けている気がする
…やばいな、もう何回躱したかさえ分からなくなってきた
(正直、そろそろ限界だぞ)
「やはり、やはりぃぃぃ、私の見立てに間違いはありませんでしたわぁっ!こんなにも私の愛をお躱しになるなんて…流石は凶夜様(きょうやさま)ですわぁ…あぁ…シビれますわぁぁぁああ! 愛を愛にぃぃぃぃ」
俺の心境を他所(よそ)に攻撃を仕掛けてくる張本人は1人盛り上がっている
思えばコイツに出会った事が異世界に来てからの最大の不幸かもしれない
(どうしてあの時、声をかけちまったんだ)
不可抗力だったと言えば不可抗力だったが、なまじ見てくれが良かったから下心がまったく無かったかと言えば嘘になる
しかし、まさかこんなサイコパスだったとは…
「愛、愛うるせぇっんだよ、ほんっっっとに、どうしてこんな事になっちまったんだ!? 誰か答えてくれ! why(ほわい)!?」
迫り来る怒涛の攻撃を尚(なお)も躱しながら、やり場の無い怒りと、自身をこんな状況に追いやったこの世界の不条理について、半ば叫ぶ様に問う
返事が無い事は分かってるよ? いや、分かってるけど
(こんなん叫ばずにやってられるかぁ!)
凶夜様こと、この俺 響(ひびき)凶夜(きょうや)はなんやかんやで
頭のおかしい女に殺されかけていた
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