第0話 俺が異世界に行った訳

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 ぼすぼす・・・ぼす    ちーん    ちゃららららーーー     「おっ・・・」      <げきあつ!ちゃんす!     「おおぉっ!?」      くるくるくる    ぼす    ぼす・・・    <ちゃららららーーーリーチ!   「うおおおおお、きたっきたきたあああああ!!」    頼むぞ・・・もう2万円も飲まれてるんだっ    響 凶夜(ひびききょうや)は寂れたパチンコ屋、その中でも一際(ひときわ)人気の無いスロット台の前で人生の岐路に立たされていた    煌々と輝くスロット台に前のめりになりながら、ただボタンを押す作業に従事して2時間    今迄頑なに沈黙を貫いていた悪魔の機械は、  ついに、凶夜へ一筋の希望への道を示したのだ    ・・・まぁ、あくまで示しただけなのだが    やっと!やっとだぞ!  これだけ当たらないなら、そろそろ当たってもいいんじゃないか?  ・・・いや、実はもう当たってるんじゃないか?いや、そうに違いねぇ!    と、そんな考えは何処へやら本人は根拠のない自信に満ち溢れていた    いやぁ、ギャンブルって怖いね    現在、22歳  一身上の都合により大学は中退  一身上と言えば、聞こえはそれほど悪くはないが、原因は親父の借金である    普段から「NTR(ネトラレ)最高!」とか「なぁ、凶夜・・・幼女欲しくないか?」とか常々インモラルな親父だと思ってはいたが、なんだかんだ「妻LOVE(ラヴ)」と言ってたから、そういう冗談だと思っていたんだが    まさか浮気するとは・・・    しかも相手は近所のJK(じょしこうせい)    凶夜家では家族会議(おはなし)の機会が設けられ  開幕一番(かいまくいちばん)でお袋(ふくろ)が包丁を握り、親父に躍(おど)り掛(か)かった    その姿はまさに某RPGのバーサー〇ーもしくは、くびかりぞ〇    もうね、こりゃ親父は死んだな・・・とか    身内から犯罪者が・・・とか    俺の人生どこで狂ったのかなぁ、子供は親の犠牲だな・・・とか    俺は感慨深く、人生の深さについて考えた    まぁ、ちょっとは?俺が童貞ってのもあって、親父への嫉妬や妬みも無かったとは言えないけど?    しかし、親父は持ち前のしぶとさで間一髪これを回避    予想外に親父の逃げきりか!? と思ったのもつかの間
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