第1章 スライム シュナイダーの場合

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第1章 スライム シュナイダーの場合

 青い空に白い雲、見渡す限りの草原に時折強めの風が吹き、膝の辺りまで生い茂った草が音を立てる。  ――まぁ、伸び過ぎた草のせいで俺の視界はほぼ塞がれているがな......  なぜなら――  俺の身長は四十八センチだから。  そして体は緑茶を思わせる半透明で薄緑色のゼリー状でできた軟体生物、だ円形で手足は無く飛び跳ねるか、ズルズルとナメクジのように這うしか移動手段は無い。  唯一、俺の武器は頭に付いたこの二本の角、と言ってもこれもゼリー状だから武器になるのかというと、考えものだ。  そう、俺はRPGゲームの定番――  スライム。 「シュナイダー!」  名前を呼ばれ、声のある方へ向くとそこには、体の色が若干赤みがかってはいるものの姿、形が、全く同じのリービッヒが元気よく飛び跳ねながら近づいて来た。 「おはよう、リービッヒちゃん」 「おっはよ! シュナイダー」 「どうしたの? こんな早くから」 「まぁ、たまにはいいじゃん」  こんな俺を慕ってくれる彼女、彼女は忘れているかもしれないが、今日で付き合って一年だ、その記念にここから少し離れた橋を渡ってみたいと言っていた彼女の願いを叶えようと、俺はサプライズで計画を立てた。     
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