原罪前線 -マルス・フロンティア-

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「私たち、これも共有してるんです。なので──」 「ほんとうなら二年半くらいだっけ? ミキお姉ちゃんはマジメだけど、エダが、ちょいちょい延長くらっちゃってて。結局、ケージと同じくらい、のこってるよ」  サイレンが鳴りひびく。 《白い闇(サーペント)ノ接近ヲ確認シマシタ。各自、指定サレタ区域デ防衛ニアタッテクダサイ》  指定された区域へ急ぐ。  外に出ると、遠くに、紫色に輝く光の壁が見える。  その壁こそ、異界(ゲヘナ)との境界線。  そこから湧き出してくる獣の群れが、配置についたケージたちのもとへと襲いかかってくる。 《ソレデハ、罪人ノミナサン。今日モ一日、ヨイ贖罪ヲ──》    ***  集められた罪人のみが暮らす、隔離された『流刑街(エルダ)』。  そこは、『異界(ゲヘナ)』と『現世(エデン)』との狭間。  異界(ゲヘナ)が現世(エデン)に接触したことで発生した亜空間であり、異界(ゲヘナ)からの侵攻を食い止める、最前線の防衛ラインとして機能する街。  ケージたちがもといた世界──現世(エデン)とおなじく、大地と空があり、朝や夜、天候の変化もある。 *     
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