原罪前線 -マルス・フロンティア-

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「僕は、罪なんて犯してない……。ここにいるのは、なにかの間違いなんだよ」  もともと面倒見のいいサネハルが、彼を励まし、戦いかたをレクチャーする。    *** 「ケージは、どうしてミキお姉ちゃんにこだわるの?」  と伊原エダ。 「べつに、こだわってなんか──」 「さては惚れたなー?」 「わかった、言うよ。ちょっと、ミキは昔の知り合いに似ているんだ」 「あ、これひょっとして、禁忌?」  たがいの過去のことを詮索するのは、流刑街(エルダ)ではタブーだ。    ***  流刑街(エルダ)には、『〈願いのために(デザイア)〉』と名乗り、他の者たちとは異なる思想で行動しているグループがいるらしい。  だれが、どれだけの人数が加入しているのか、実態は見えない。  看守(アガナアラガ)に細工し、白い闇(サーペント)の現世への侵入を手助けしようとしている。 *  大型白い闇(サーペント)や群れの襲撃に合わせて、〈願いのために(デザイア)〉は動いた。  看守(アガナアラガ)は一時的に混乱状態に陥り、RIB端末は罪人を攻撃し始める。  〈願いのために(デザイア)〉のリーダーであるという覆面の人物が、巨大モニターなどを通じて、罪人たちに語りかける。     
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