原罪前線 -マルス・フロンティア-

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 このままでは帰るべき場所すらなくなってしまう──事態収拾に動こうとする罪人たちを相手に、〈願いのために(デザイア)〉のメンバーが邪魔をしてくる。  タツミもメンバーの一人で、サネハルを殺害する。  最前線の防衛ラインが白い闇(サーペント)に突破されていく。    ***  腕輪や看守(アガナアラガ)への細工は、ノノアが関与していることが判明する。 「そんなこと、できるのか」 「簡単だったよ、実際」  ノノアは悪びれた様子もなく続けた。 「監視するって言ったって、現世(エデン)側から手引きしないかぎり脱獄は不可能なわけだから、そこまで罪人を見張っておく必要なんてないのよ。いま、どこどこにいます、っていう、その程度。真面目に戦わないと現世(エデン)に帰れない、そういう、あたしたちのモチベーション向上っていう意味合いが大きいシステムだから。サーペントを使って現世を攻撃しよう、なんて考える罪人がいるとは思いもしなかったわけ。自分たちが帰る場所を無に帰そうとする人間がいるなんて、想像もつかなかったんだね」 「どうやって、看守(アガナアラガ)のシステムを攻撃した? 進入禁止区域に入らなければ、そんなことできないだろ?」     
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