君の思い出《アルバム》には載りたくない

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    *    *    * 「あれ? 美羽、この写真、どうした?」  あたしは捨てられる所だった空の写真立てを救出し、赤ん坊の頃の達也の写真を入れて飾ったのだった。 「引き出しの奥にあったから。可愛いね、達也」 「よ、よせよ。そんな何十年も前の写真なんて、もはや俺じゃねぇだろ」 「ふふ、照れないで」 「子供にゃ、目に毒だ」  寝室に飾った写真立てをわざわざ伏せて、達也はベッドの上であたしを柔らかく抱き締めた。 End.
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