103人が本棚に入れています
本棚に追加
/318ページ
けれども玲音には翔太が必要なのだ。自分が自分であるために。
何故なら彼の存在が、玲音の根幹になっているから。
翔太が揺るぎなく玲音を玲音として扱ってくれるから、自分は安心してレオンとレノン、どちらにもなれる。
逆にいうと、翔太が不足すると玲音は自身の存在が揺らいでしまい、自己をコントロール出来なくなってしまうのだ。
ために、玲音は自身に下されていた厳命に背いて、とうとう翔太に会いに行ってしまったわけである。
後でみっちり油を絞られることになるだろうが、後悔はなかった。
これでツアーファイナルのドーム三日間を乗り切れる。
とはいえ、約束を反古にしたペナルティは免れないだろう。
最初のコメントを投稿しよう!