開花結実

玲音 一

玲音は、自身がどんなに叱責されても仕様がないとは思っていたが、メンバー達……特に暁斗に、翔太の存在を非難され否定されることは、想像するだけで身に堪えた。

誰よりも理解して欲しい人に、誰よりも大切な人を認めてもらえないことは、何よりも辛い。

鬱々とした気持ちになると玲音は、翔太のことを心に描く。

仏頂面で無愛想。けれども端々に溢れる優しさ。迷いない、まっすぐな愛情。

とたんに、たまらない気持ちになる。

そんな時、玲音は想いを込めて翔太にメールを送る。他愛もない、特に意味もない、本当に何てことないメール。
けれどもメールを送り合っている間、確かに二人は繋がっていられるのだ。

そうして玲音は心を立て直す。
そうして玲音は何とか、やるべきことをなすことが出来るようになるのだ。