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彼女らは、玲音のファンである。最近絡まれることがなくなっていたのですっかり忘れていたが、何かと玲音に近付こうとする輩がいることに、翔太も気をつけなくてはならない。 おおかた一昨々日、玲音がここに来たのをどこかで聞きつけたのか、それとも二人で歩いていたのを見られたのか、でもしたのであろう。 そうでなければ……翔太はハッとした。 玲音に何かあったか。 頭の隅に追いやっておいたはずの違和感が、急に甦ってきた。嫌な予感がする。慌てて頭を振って気持ちを切り替えようとしたが、一度感じた不安を完全に消すことは出来なかった。 キーンコーンカーンコーン…… 一限が終わったチャイムが鳴り響く。まずは授業に出なくては。翔太は不安な気持ちを振り払うように、小走りで移動した。 結局、二限の授業に出席はしたものの、当然のように全く身が入らなかった。大学の授業は一枠九十分、常々長いと思ってはいたが、これほど長く感じたのは初めてであった。 授業中にこっそりスマートフォンをいじって情報収集したいという誘惑に猛烈に駆られたが、玲音に関する何かがヒットしたらどうしようという気持ちもあり、翔太は一人悶々としながら、時間と不安と闘って過ごした。 そうしてどうにかこうにか、二限の授業は終わった。
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