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一
花は開かずに萎れ、実は結ぶことなく朽ちる……
そんな、日の目を見ずにただ消えゆく未来しかないであろう、秘めた想い。
それを抱え続けるというのは、不治の病を患っているのに似ている。
ただ胸の痛みに悶え苦しみ、時には熱に浮かされたようになり、時には眠れぬ夜を過ごす。
何度、手放したいと思ったかしれない。
けれど結局、手放すことも諦めることも出来ず、その場しのぎの対処療法で心を誤魔化すしかないそれは、やはり不治の病といえるのではないだろうか。
さらにこの想いが厄介なのは、いったん症状が落ち着いたとしても、何度でも風化することなく再発してしまう、というところにある。
想いを心の奥に押し込んで押し込んで、底辺に沈めることでわずかな平穏を得たとしても、再発する時には一瞬で浮かび上がり、身構える間もなく全身を侵食されて、あっという間に虫の息だ。
そのメールが届いた時も、まさにそんな感じであった。
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