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結城 玲音(ゆうき れおん)は、ちょっと有名なアイドルである。 それには複雑な理由があるからなのだが、橘 翔太(たちばな しょうた)にとって、それらははっきりいってどうでもいいことであった。 大切なのは、自分と玲音との関係である。 翔太にとって玲音は、ずっと特別な存在であった。幼なじみで親友で、そして…… 翔太の人生に、玲音の存在はなくてはならないものだが、玲音にとって翔太はどういう存在なのだろうか。 翔太は、時々そう思うことがある。 幼なじみ? 親友? それとも…… いや、それはない。何故なら、自分は玲音のそれにはなれなかったからだ。 昔一度だけ、翔太は玲音に自分の想いを告げたことがあった。けれども玲音は、告白そのものを聞かなかったことにした。 自分の想いは、存在しないほうがよかった。
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