玲音 一

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玲音 一

やっぱり全然、翔太が足りない。 玲音はしみじみ、そう感じていた。ほんの少し前に会ったばかりなのに、すぐにまた会いたくなってしまう自分に、心底うんざりする。 深刻な翔太不足。 ここのところ、心が相当参っているのを玲音は自覚していた。おかげで、体調のコントロールが上手く出来なくなってきており、不調をスタッフにまで指摘される始末だ。 このままでは仕事全般に支障をきたしてしまうことは明らかであった。 背に腹は代えられない。そう切実に思った。だから会いに行った。 メンバー内での約束を反古にすることがどういうことなのか、重々承知の上であった。
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