いや、これはよくない傾向だ

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「に、にぽ人?異世界?」 あっそっちの展開なんだ?と少し声高に聞き返した。 「左様じゃ。なんじゃ聞いたことがあるか?」 「いや、知らん」 この世界に召喚なんて知るわけない。ニポ人黒髪ってどう考えてもアレだ。日本だろ! まさかの異世界連鎖。これは現実。異世界憧れて来れてもチートが必須。無いと無理。絶対死ぬ。逃げて正解。俺も逃げたい。帰りたいぞ! 表情は乏しい俺だが、日本が懐かしくなり拳を作り唇を少し噛んでいた。俺はもう魔物だ。地球の生活は無理がある。チクショー! 「勇者候補を喚べても力が伴わなず、ココは過去過ぎると文句ばかりでな、いやはや残念な事だ」 「俺も無理だから元に返せ」 ヒュッテはほっほっほと満足気にヒゲを整え、ウォークはやれやれと溜息を吐く。 スルーかよ! ここまで聞いてソファの縁に頭を乗せ天井を仰ぐ。天井は白く草木葉模様で落ち着く色合いだった。これ以上詳細を聴き巻かれるのは終了だ。先ずはどうやってここから逃げるか考えるべきか。 俺は大事な一言を聞き逃していた事に暫く気がつかなかった。
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