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薄い褐色の肌に波のある艶やかな黒緑の髪が胸元まであり、透き通る黄金色の瞳にすっと通る鼻筋に甘いマスクは完璧。四肢もすらりと体躯も言うことなしの異国王子だ。
森にいたから気にしなかったが、すれ違う人の視線が痛い。やだ何コレ。目立ちまくりじゃないか。
廊下に全身が映る鏡があり、改めて自分の人化を見る。趣味のいいクロウがくれた服は黒地に銀の刺繍のマッキントッシュコート、タイトな薄めのキャメルボトムに黒のロングブーツ。
完璧だ。ダメだこれ完璧すぎるぞ。
まさかこれからがチーレムってこと?でもな、残念な事にいくら人の内面があろうと人の異性に性的興味が湧かない。精々好き嫌いの気持ちをもつ程度ってコレいかに。
クルフェルは人化した俺に胸を押し付けたりしてたが、ちっぱいとパピヨンおばさんがチラついて何も思わなかった。これは仕方ない。
そして目の前に女王シュリ。
「名前を教えてくれないのですね」
「必要ない。俺は勇者ではない」
その一言に静止し、ふっとフォークを持つ手を止め、侘しく儚げな雰囲気で微笑んだ。
「頑な方ですね」
「あんたもな」
「王と知っても態度を変えないのですね」
「関係ないからな」
「まあ!いいますわね」
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