うまい話はないものだ

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 薄い金とも銀とも言えるさらりと流れる髪だけで妖艶で、眼はアイスブルー。パーツも整い人の気持ちでは美しいと思う。 二十に満たない様に見え、大人と少女の間の不安定さを感じて守りたいと普通なら思わせる美麗。  そして中々の美乳。  俺も男だ。勿論目は吸い付く。でもただそれだけなのだ。勿体無い。これは何かの罰か。  チーレムよ、さらば。  そしてあの虚言。この雰囲気とあの風格の二面性。誰にでも多少なりあるだろうが、何を考えてるのかさっぱり掴めない。じーっと見てそんな事を考えて失敗した事に気付く。  女王シュリは、ぽーっと赤面していた。  あ。俺、イケメン。  周りに側近か近衛騎士も歯軋りを始めそうに顔が歪んでいるのも数名。  食事会といわれ、要職宦官の相席と長方形の王まで遠いテーブルを想像したのに、円卓に王とふたりの食事。気不味いわこれ。まあ切り替えてもらおう。 「ところで、魔王とはなんだ」  シュリはハッとして顔を引き締めた。 「ま、魔王とは魔国随一の魔力保持者です。魔族は元々争いや混乱を楽しむ性質の様で、次代の王になると必ず祭りとばかり力を奮い始める暴虐無人ぶり。人は魔国に入りません」  俺の知る魔王は三歳幼女。でもいる大陸が違う。魔国は故郷なのか? 「魔族はこの大陸以外にいるのか」 「いるでしょう。大半は翼を持ち飛べます。魔族は様々な魔人族の集まりですから」 「翼?」     
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