ええ?これから帰るに決まってるだろ!

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 俺が少し丸くなったとクロウは言っていたが面倒は面倒でしか無い。望んでない事は煩慮でしかない。それは変わらない。  屋根を飛び空を蹴り屋根に戻ってはまた跳躍した。意外と大規模な街のようだ。微かに街を囲む最後と思える城壁が見えてくるが違和感があった。何が違うのか判然としないのは見慣れない街だからか。魔狼は屋根の上でピタと立ち止まり、プーは首を傾げた。 「家が低い。形が古い。河川整備の仕方が一昔前」  抜け出した城を振り返る。建物自体は経年劣化も無く周りの蔦や植物も目立つ高さが無い。魔国と数百年毎に戦争になるのであれば新興国でもない。再興にしても町に多少なりとも新旧の差、古き良き時代のものがあっても良いのではないだろうか。  数百年は生きて来て己が見たこの世界の発達は緩慢だ。犬の姿でたまに人の世に遊びに行っていたから知っている。だが総てにおいて千編一律なこの町自体が旧時代的に感じていた。  一抹の不安が過った。  この国や町がそういった文化で旧時代な特徴を残すのであれば、それでいい話。魔狼はヒュッテの言葉を思い出す。 『ココは過去すぎて』  ・・・過去すぎて?     
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