あたらしい召喚

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人化している今、魔物が敵だという地で魔狼にも戻れない。人々の魔力も小さく転移術が使える者がいるかも不明。これはまた犬で行くしか無いのだろうか。 部屋の隅に直立する無表情な警護兵を見る。よく鍛錬し筋骨隆々だが弱々しい人間にしか見えなかった。段々イライラしてくるのも自覚する。何故自分がというやり場の無い不満と怒りがフツフツと沸き起こり、眉間に再び深くシワを刻んだ。 『そんな顔する時はお茶ですね!』 『あはは!魔狼が茶の香り楽しむの?鼻が曲がるんじゃなかったの?慣れって怖いわ~』 クロウとクルフェルの声を思い出す。イライラしたら茶でひと息入れるもんだと。 「茶くらいでないのか」 警護兵は仕事熱心なのか無反応だ。 さあ、これはどうやって帰るべきか。
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