しらぬは俺ばかり

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「ああ?わかるように言え」 「チッ、ワザとか?そこで待ってろ!」  ライバは立ち止まった途端、魔力を乗せ地を蹴り、後方にいた女の前に立った。 「きゃっ!」 「ずっとついて来るが何用かな」  瞬間移動にも見える移動に、女は硬直して丸々とした目を更に見開いた。 「おいライバ、どうする気だ」 「鎖の音が聴こえるということは君は獣人。戦に乗じてこの国を出る気かい」   ライバは穏やかに問いながらフードを長弓でつつき脱がせようとしたが、女はバッと両手で頭を押さえた。 「そ、そうよ、あなた達勇者なんでしょ?邪魔しないから国境までついて行きたいの。ついて行くだけだからいいでしょ?」 「え?」  女は俺に真剣な視線を向けてきた。獣人?顔も手足も人だけど。ってことはケモミミ?本当?ケモミミきたーー!  いや待て。喜べない。  ライバは性欲だと思ってる。確かに女は獣系。フードの下は何の耳だか不明だが、ムラムラするのは獣だと勘違いしてるだろ。 「どうする?茶か飯でも一緒にして貰えたらさ、俺たち二人より華やかで気分転換になるって思わないか」  ニヤニヤとするライバ。その顔は狩る、食べる運動も全部シモ変換してるな。まあ確かに、このまま男二人旅はちょっとなあ……。     
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