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「あのっ、勇者いても負け戦さだし、何も変わらないのもわかってるし、五年帰ってないし、いい機会と思って、だから、お願い!離れて歩くから!」
「は?負け戦さ?」
俺の中で線が繋がった。
そうだ。魔王だ。魔力が国随一。明らかに格下魔法使いと兵しかいない人間が勝てるわけないじゃないか!
勇者いても負け戦さ?確か半端な勇者しか召喚できてないって?
そりゃ負け確定じゃないか。やっぱりあの女王は曲者だ。勇者はどの道捨て駒決定的だよな。戦の悪はどっちだ!
「所詮盤上ゲームだからな」
しれっと言うのはライバ。
「そうよね。でも魔族の中には危ない人がいるでしょ?だからあなた達魔王には勝てなくても強いから安心して旅が出来そうって!」
「ははっ、言うね君」
おい。ライバも何わかったように会話してんだ。いや、国民だから知ってるのか。ここまで聞いたら全部知りたくなったぞ。気になって眠れる気がしない。
「ちょっと待て。色々、色々なんだが」
ひとり蚊帳の外だ。知る必要もないが知っておいていいだろ。一応俺=勇者。当事者。
「ああ、ルーは他の大陸から来たって。本当に何も詳しく知らないんだな」
「不審がられるから黙ってたが全く予備知識無しだ。訳わからん。それに勇者ではない」
質問が多かったことがライバを納得させたようだ。そして俺は勇者否定、これ大事。
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