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すみれ色の重装騎士
金属が擦れる独特の不協和音を垂れ流している彼女は獣人のミミ。
その音は雇用契約の二重ブレスレットだ。雇用主が亡くなっても実質いい値らしく、気に入ってもいるから外す気はないという。
獣人はこの国に限り人間以下とされ、人の下で雇用されるが、隣国の自国より給金が良く出稼ぎが多い。
ミミも給金は仕送りし、必要最低限の持ち金で生活していた所で腐森牛騒動。主は地元の名士で現場にいた人達に後のことは任せて追いかけて来た。
「ふぉいでれすね、ふおものれふね、れまえぅおっごフッ!」
「っぅわ!」
「……飲み込んでから話せよ」
離れてついて来たものの村に入り、一度断ったのに、向かいの軒先から凄い目つきでガン見してるのを見かねたライバは食事に誘った。
この村は町に近い規模で、戦時中の兵も増えて稼ぎ時だと露店も出て活気がある。
「あっ、んぐ。ごめんなさい!」
「……良く食べるね君」
「えっ、こえくあいはらはひふれふよ」
「え?」
ライバは聞き取れなかったが、気になるよけ損ねた野菜を苦笑顔で払い落とした。
聞こえたのは多分、腹八分。空腹だったとはいえ良く食べる。大盛り定食三種目に突入していた。
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